こんにちはスタジオ43編集長(自称)の山本です。スピーカーケーブルの作成方法について画像付きで解説します。

 

スピーカーケーブルの用途

PAの場合

スピーカーケーブルは基本的にパワーアンプで増幅された信号を送るためのケーブルなのでパワーアンプとスピーカーの接続時に使用します。

基本的にはと書いたのはパワードミキサーやパワードスピーカーなどのアンプを内臓している機材の場合はスピーカーケーブルを使用しない場合があるからです。

パワードミキサーの場合はミキサーにアンプが内臓されているので、ミキサーについているスピーカーアウトがパワーアンプのアウトプットと同じなのでスピーカーケーブルを使用します。

パワードスピーカーの場合はスピーカーケーブルを使用しません。パワードスピーカーはアンプがスピーカーに内臓されているためミキサーからスピーカーまでのケーブルはアンプで増幅する前の信号になるためLINEケーブルを使用することになります。

PAなどの音響機器の接続はスピコンのコネクターを使用することが多いです。

ギター、ベースアンプの場合

ヘッドとスピーカーキャビネットが別になっているギターアンプなどの場合はパワードミキサーと同じ考え方で大丈夫です。アンプヘッドからは増幅された信号が出力されています。

機器を正しく理解していい音を出せるように正しく接続しましょう。

ギターアンプはほとんどがフォンプラグのスピーカーケーブルを使用することが多いです。

ベースアンプの場合はヘッド、キャビネットにフォン端子、スピコン端子の両方に対応している場合が多いです。

作成手順

早速作成に取り掛かります。

用意するもの

  1. スピーカーケーブル(CANARE 4S6)
  2. スピコンコネクタ
  3. ワイヤーストリッパー
  4. ポジドライブのドライバー

4番目のポジドライブのドライバーは持っていないので普通のプラスドライバーで代用します。

スピコンの端子を多様するような場合はポジドライブのドライバーを使ったほうが安定した締め付けが可能になります。

被覆を剥く

被覆の一番外側の黒いところだけを剥きます。この時に中の赤と白の被覆にも切れ込みが入ってしまったらやり直した方がいいです。慎重に切り込みを入れます。

被覆が剥けるとヒモのようなものがねじれて中の赤と白のケーブルにまとわりついています。これを端に寄せていきます。

このようにケーブルとヒモを分けたらヒモは不要なので根元から切ってしまいます。

スピコンの端子の接続は1番のプラスとマイナスを使うので導線は2本にします。スピーカーケーブルは太いほどいっぱい電気を送れるので2本ずつでまとめてしまいます。

  1. 赤と薄い赤
  2. 白と薄い白

この組み合わせでまとめます。絶対にこの組み合わせにしなければいけないという事はないですが、わかりやすさからこれがいいと思います。

ルールとしては反対側のまとめ方と同じにするということだけ間違えないようにしましょう。

4本の導線をむき出しにするのにワイヤーストリッパーを使用すると時間短縮できます。4S6のケーブルの場合は1.0のところがちょうどいいです。

導線を束ねる

先ほど被覆を剥いた導線を赤と薄い赤、白と薄い白でねじって束ねます。

被覆がついている側から外側に向かってねじっていくと綺麗に仕上がります。

プラグキャップを通す

本来一番最初に通しておくべきプラグキャップですが、ギリギリこのタイミングまでだと間に合います。(忘れるところでした)

青いキャップが先で黒いケーブルをホールドしてくれる部品が収まるように入れます。順番を間違えると完成しないので、うっかりミスに気をつけましょう。

スピコンに取り付ける

スピコンは

  1. 1+
  2. 1-
  3. 2+
  4. 2-

の4端子で構成されている場合が多いですが、4端子使わないのとコスト面とわかりやすさから

  1. 1+
  2. 1-

だけの構成のスピコンを選んでます。

画像でみてわかる通りライブ会場などの暗がりではおそらく「1」という文字が見えないです。ましてやそれが4端子あったら配線ミスも避けられないです。

接続する端子は有色ホットのルールにしたがって赤がホットすなわち赤を「1+」に接続します。

白は「1−」に接続しましょう。

失敗例

先に失敗例をあげておきます。先ほど被覆を剥いたものだとスピコンに取り付ける時に長すぎて導線がはみ出てしまっています。この状態だとケーブルがねじれた時に白と赤の導線が接触し、ショートしてしまうので導線がしっかり隠れるように導線を調整します。

※ショートすると音が出なかったりします。

正しい例

一旦先ほどの導線を取り出して導線の先端を少し切り取ります。

このようにしっかり収まっています。

収まったら導線が抜けないようにネジをしめこんでいきます。

この時にポジドライブのドライバーがあるとしっかり締め付ける事ができます。

なければ普通のプラスドライバーで締め付けましょう。

チェックする

最後に少し引っ張ってみてすぐに抜けるという事がなければしっかり固定できています。

スピコンが選ばれる理由

スピコンのスピーカーケーブルを作成していて気づいたかもしれませんが、半田を一切使っていません。半田を使用しないという事は電気を使用しないので場所を選ばず作成できます。
半田はコテが暖まるまで時間がかかり機材トラブルなどで時間がないのに半田の暖まり待ちは許されません。

そういった理由から現場での主流はスピコンとなっています。

フォンプラグは引っ張ってしまうとすぐに抜けてしまいますが、スピコンは入れて回してロックしているので、ケーブルを引っ張っただけでは抜けないという面を考えてもフォンプラグよりも優秀です。